パートで働く配偶者や、大学生など19〜22歳の子のアルバイト収入について、2026年の年収の壁を超えると手取りがどう変わるかを計算します。本人の税金・社会保険料だけでなく、扶養している家族の配偶者控除・特定扶養控除などが減る分も差し引いた「世帯の手取り」で比べられます。たとえば夫の年収600万円・妻のパート年収120万円(扶養内)なら、妻の手取りは119万3,500円(住民税6,500円)で、夫の税金は増えません。妻の年収が129万円なら世帯の手取りは127万5,500円ですが、130万円になると扶養を外れて国民年金保険料(年21万5,040円)と国民健康保険料がかかり、国保料を除いても107万9,960円に下がります。
年収の壁シミュレーション(2026年の収入)
本人の手取りと家族の税金の増減から世帯の手取りを計算・基準日 2026年10月13日
- 本人の手取り
- –
- 本人の社会保険料
- –
- 本人の所得税
- –
- 本人の住民税(翌年度分)
- –
- 家族が受ける控除(所得税/住民税)
- –
- 家族の税金の増加
- –
年収別の早見表(同じ条件)
| 年収 | 本人の手取り | 家族の増税 | 世帯の手取り |
|---|
税金は2026年分の所得税と令和9年度の住民税(1級地)、社会保険料は協会けんぽ東京・令和8年度の料率と国民年金保険料(月1万7,920円)で計算しています。家族の社会保険料は年収から自動で概算しています。
2026年の年収の壁一覧
「年収の壁」には、税金の壁と社会保険の壁があります。2025年・2026年の税制改正で税金の壁は大きく上がり、2026年10月には106万円の壁(社会保険の賃金要件)がなくなりました。給与収入だけの場合の目安は次のとおりです。
| 年収 | 配偶者(パート)の場合 | 19〜22歳の子(アルバイト)の場合 |
|---|---|---|
| 119万円超 | 本人に住民税(翌年度分) | 本人に住民税(翌年度分) |
| 130万円以上 | 社会保険の扶養から外れる | − |
| 136万円超 | 配偶者控除→配偶者特別控除(額は同じ) | 特定扶養控除→特定親族特別控除(額は同じ) |
| 150万円以上 | − | 社会保険の扶養から外れる |
| 159万円超 | − | 親の所得税の控除が減り始める |
| 163万円超 | − | 勤労学生控除の対象外 |
| 169万円超 | 所得税の配偶者特別控除が減り始める | 親の住民税の控除が減り始める |
| 174万円超 | 住民税の配偶者特別控除が減り始める | − |
| 178万円超 | 本人に所得税 | 本人に所得税 |
| 197万円超 | − | 親の控除がなくなる |
| 207万円超 | 配偶者特別控除がなくなる | − |
このほか、従業員51人以上の企業で週20時間以上働くと、年収に関係なく勤務先の社会保険(健康保険・厚生年金)に加入します(学生を除く)。60歳以上や障害のある人の扶養の基準は180万円未満です。
106万円の壁は2026年10月に撤廃
これまでパートなどの短時間労働者は「月額賃金8.8万円以上(年収約106万円)」などの条件を満たすと社会保険に加入していましたが、令和7年の年金制度改正法により、この賃金要件は2026年10月1日に撤廃されました。現在の加入条件は、週の所定労働時間20時間以上・従業員51人以上の企業(2027年10月から段階的に縮小予定)・学生でないこと、の3つです。勤務先の社会保険に入ると保険料はかかりますが、将来の厚生年金が増え、病気で休んだときの傷病手当金も受けられます。
130万円の壁と150万円の壁(扶養の基準)
会社員の家族が健康保険の被扶養者でいられるのは、年間収入が130万円未満(同居なら被保険者の収入の半分未満)の場合です。19歳以上23歳未満の子(配偶者を除く)は150万円未満、60歳以上や障害のある人は180万円未満です。扶養を外れて勤務先の社会保険にも入らない場合、配偶者は国民年金(2026年度は月1万7,920円)と国民健康保険に自分で加入します。一時的な残業で基準を超えても、事業主の証明があれば原則として連続2回まで扶養にとどまれる特例もあります。
税金の壁(配偶者の場合)
夫の年収600万円の世帯で、妻の年収ごとの税金と夫の控除額を計算しました(2026年分の所得税、令和9年度の住民税、妻は社会保険に加入しない前提で、130万円以上は国民年金保険料のみ差し引き)。妻の給与収入が169万円までは夫の所得税の控除は満額の38万円なので、税金の面では大きな段差はありません。
| 妻の年収 | 妻の所得税 | 妻の住民税 | 夫の控除(所得税) | 夫の控除(住民税) | 夫の税金の増加 |
|---|---|---|---|---|---|
| 100万円 | 0円 | 0円 | 380,000円 | 330,000円 | 0円 |
| 119万円 | 0円 | 0円 | 380,000円 | 330,000円 | 0円 |
| 120万円 | 0円 | 6,500円 | 380,000円 | 330,000円 | 0円 |
| 129万円 | 0円 | 14,500円 | 380,000円 | 330,000円 | 0円 |
| 136万円 | 0円 | 5,000円 | 380,000円 | 330,000円 | 0円 |
| 150万円 | 0円 | 13,800円 | 380,000円 | 330,000円 | 0円 |
| 160万円 | 0円 | 23,800円 | 380,000円 | 330,000円 | 0円 |
| 169万円 | 0円 | 32,800円 | 380,000円 | 330,000円 | 0円 |
| 170万円 | 0円 | 33,800円 | 360,000円 | 330,000円 | 2,100円 |
| 178万円 | 0円 | 41,800円 | 310,000円 | 310,000円 | 9,200円 |
| 190万円 | 0円 | 53,800円 | 160,000円 | 160,000円 | 39,500円 |
| 200万円 | 200円 | 63,800円 | 60,000円 | 60,000円 | 59,700円 |
| 207万円 | 3,700円 | 70,800円 | 30,000円 | 30,000円 | 65,800円 |
| 210万円 | 5,300円 | 73,800円 | 0円 | 0円 | 71,800円 |
税金の壁(19〜22歳の子の場合)
親の年収600万円、子は学生(勤労学生控除の対象)で社会保険料なしの場合です。2025年分から特定親族特別控除ができ、子の給与収入が150万円(2026年は159万円)までなら親の控除は特定扶養控除と同じ63万円のままです。
| 子の年収 | 子の所得税 | 子の住民税 | 親の控除(所得税) | 親の控除(住民税) | 親の税金の増加 |
|---|---|---|---|---|---|
| 100万円 | 0円 | 0円 | 630,000円 | 450,000円 | 0円 |
| 119万円 | 0円 | 0円 | 630,000円 | 450,000円 | 0円 |
| 136万円 | 0円 | 5,000円 | 630,000円 | 450,000円 | 0円 |
| 150万円 | 0円 | 9,000円 | 630,000円 | 450,000円 | 0円 |
| 160万円 | 0円 | 19,000円 | 610,000円 | 450,000円 | 1,100円 |
| 170万円 | 0円 | 55,500円 | 410,000円 | 410,000円 | 19,300円 |
| 178万円 | 0円 | 63,500円 | 310,000円 | 310,000円 | 39,500円 |
| 190万円 | 6,100円 | 75,500円 | 60,000円 | 60,000円 | 90,000円 |
| 197万円 | 9,600円 | 82,500円 | 30,000円 | 30,000円 | 96,100円 |
| 200万円 | 11,200円 | 85,500円 | 0円 | 0円 | 102,100円 |
計算するときの注意点
- 年収の壁の判定に使う「年収」は、税金と社会保険で異なります。税金は1月〜12月の給与収入(通勤手当は含まない)、健康保険の扶養は今後1年間の見込み収入(通勤手当を含む)で判断します。
- 2026年4月からは、労働契約で定められた賃金から見込まれる年間収入で扶養を判定する取り扱いが始まっています(契約にない残業代などは見込みに含めません)。
- 健康保険組合によっては、扶養の認定基準や手続きが独自に定められています。
- 家族手当(配偶者手当)の支給基準は会社ごとに違います。103万円や130万円を基準にしている会社もあるので、就業規則を確認してください。
- 住民税の非課税ラインは自治体の級地によって異なり、2級地・3級地では119万円より低くなります。
よくある質問
2026年は「103万円の壁」はなくなりましたか?
所得税については、2025年分で160万円、2026年分で178万円まで上がりました。親や夫の扶養控除の基準(所得62万円以下=給与136万円以下)を超えても、配偶者特別控除や特定親族特別控除で控除が段階的に減る仕組みなので、136万円を少し超えても家族の税金が急に増えることはありません。
130万円を少し超えるとどれくらい損ですか?
勤務先の社会保険に入らない場合、130万円以上になると国民年金保険料(年21万5,040円)と国民健康保険料(市区町村と所得によって異なります)を自分で払うため、年収129万円のときより手取りが少なくなります。どこまで働けば取り戻せるかは国保料しだいなので、このツールに市区町村で試算した国保料を入れ、早見表で確認してください。勤務先の社会保険に入れる場合は、保険料はかかっても将来の厚生年金が上乗せされます。
学生のアルバイトはいくらまで稼げますか?
親の健康保険の扶養のままでいられるのは年収150万円未満(19〜22歳)です。税金の面では、親の控除は給与収入159万円まで満額(63万円)、本人の所得税は178万円までかかりません。住民税は年収119万円を超えるとかかり始めます。
あわせて使いたい計算ツール
出典・参考資料
- 国税庁:源泉所得税の改正のあらまし(令和8年4月) · 扶養親族等の所得要件・配偶者特別控除・特定親族特別控除
- 財務省:令和8年度税制改正の大綱
- 日本年金機構:2026年10月に短時間労働者の賃金要件が撤廃されました
- 厚生労働省:社会保険の加入対象の拡大(企業規模要件の段階的な縮小)
- 協会けんぽ:被扶養者の認定(130万円・150万円・180万円)
- 日本年金機構:国民年金保険料(令和8年度 月1万7,920円)
- 広島市:均等割の非課税基準(令和9年度から給与収入119万円以下)
基準日 2026年10月13日
計算式は、この画面とは別に作成した検算表で3件以上の例を照合して確認しています。結果は入力値と公表されている基準にもとづく目安です。実際の金額は勤務先・金融機関・自治体などの判断により異なる場合があります。
誤りを見つけた場合はお問い合わせからお知らせください。確認のうえ修正し、基準日を更新します。